先日、食器棚を納品してきました。(納品した時の写真は撮影を忘れてしまいました。)
画像は、納品前に工房内で仮セッティングをしたところです。w2000h1800d400~600
こちらの食器棚は、見るからに実用的な物です。素材は掃除が簡単にやりやすいようメラミンで、上台
の扉だけ、ナラの柾目の突板で仕上げました。
下台はほぼ引き出しで、一部がトレーなどを収納するオープン棚です。
上台はひらきの扉で、右側に行くに従って、ボックスの奥行きが小さくなって行きます。
この奥行きが小さくなっていく理由は、天板の右側に作業スペースを設けたかったからです。
しかも、この食器棚を設置するスペースは、正直広くない。作業効率などを考慮し、天板はアールにしました。
しかも、このアールは正円ではないアールになっています。
これがこの食器棚の大きなポイントです。
そして、その作業スペースでいかに作業がしやすいようにと考えた結果、上台の形状を段々にしました。
こうすることで、作業スペースで、作業した時に、顔の近くに上台が来ず、圧迫感がありません。
食器は様々なサイズのものがありますので、奥行きが一律である必要もありません。物によっては、奥行きが
深いと取り出しにくい食器もあります。
これで、機能面は整いました。
機能面を整えた結果、非常に、簡素な構成(メラミン仕様)になりました。
しかし、フローリングは、オーク、椅子やテーブルはナラといった構成のお部屋なので、白のメラミンが
意外とお部屋全体を引き締めてくれていました。
この食器棚は自分とすると、「普段着の家具」といった所です。なんら気取りのない、普通の家具です。
しかし、どこにもこうゆう食器棚はないんじゃないでしょうか。
普通なんだけど、ありそうでない。ものすごい愛着が湧いてきました。
自分にはこの感じがちょうど良いかもしれません。
納品後、お客様にお会いした時、お客様も大変喜んでいてくれてほっとしました。